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装飾的風景 (2枚組作品)

越前谷 嘉高

130x162cmx2

2011年

この作品は、古代の世界を思わせる牧歌的な風景が、半ば抽象化された様式的な表現で描かれている。
水辺の風景には、家と散策する人物が点在している。画面の構造の中心となるのは三種類の岩の形であり、結晶のような厳密な規則性を持って並んでいる。上段で二枚の絵にまたがって横に三回繰り返す岩の形は、下段でやはり三回繰り返す形が反転したものである。それらの岩の形と中段で三回繰り返す異なる形の岩は、縦横斜め等間隔の配列になっている。
繰り返すそれぞれの岩は、輪郭線が網の目のようにつながっていて、極めて装飾的な表現になっている。現実的な表現とは違った様式的、装飾的表現と厳密な規則性によって、永遠なる世界を表している。

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