SHIFT Art Library

森田 子龍

52x79cm

1964年頃

森田子龍 (1912-1999) は、20 世紀の前衛書道の発展に貢献した、戦後を代表する日本人アーティストの一人である。精神性と哲学に強い影響を受けた森田は、志を共にする仲間とともに「墨人会」を設立し、意味を持つ文字を表す書道と抽象絵画が融合した新たな表現形式を追求した。彼らのこの運動は具体芸術協会を含む日本の戦後前衛芸術の動きに多大な影響を与え、またそれらを通じて、西洋における戦後の抽象表現主義絵画の動きへも刺激をもたらした。「樹」または「大木」という意味を持つ本作品の文字は、ダイナックな文字自体の表現と余白スペースの大胆な使用によって成り立ち、文字が持つ元来の形状と本質的な意味の両方を絶妙に捉えている。

作品一覧へ