2024年

このネオン・インスタレーションで、ジョセフ・コスースは、コンピューターサイエンスの父ともいわれる数学者アラン・
チューリング(Alan Turing）の文章を引用しています。アラン・チューリングの700ページにもおよぶ肉筆の文献から、「shift」という単語を含んだ一節を抽出して作品としました。

抽出されたこれらの言葉たちは、それ単体では意味をもたず、全体の文脈の中にあって初めて意味をもちます。それは、背景とのコントラストでネオンカラーがはっきり見えてくるの
と似ています。同じ言葉でも、環境や受け手によってその意味は自在に変わっていくのです。

コンピューティングの歴史とひもづくこの作品が設置されたこのエントランスは、オフィス空間という意味をこえ、訪れる者をITの未来へと導いていくでしょう。